Art

Evacuation

H03

HITOTZUKI

Emergent Path

この壁画は、災害時の避難経路を指し示すと同時に、トンネル内の空間を新たなワープルートとして体感してもらえるように描きました。KAMIの雲と曲線を用いて、避難方向に自然と流れる動線を形成し、経路に沿って飛び交うSASUのモチーフには、避難方向を示す矢印と人々へのエールを織り交ぜ、心の避難経路へと導くイメージを込めています。雲の中に身を委ねるように、このトンネル内で、非日常の息吹を感じられるような特別な空間を創り出すことを目指して制作しました。

HITOTZUKIについて

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HITOTZUKI (日と月)

アーティストのKAMIとSASUが1999年に結成したユニット。2000年にNY発のアーティストコレクティブのメンバーとして壁画プロジェクトに参加し、本格的に活動を開始。

黎明期の日本におけるストリート・アートシーンに、ペンキとブラシを用いたミューラル(壁画)のアプローチでシーンを開拓し、欧米を中心に世界各地で高い評価を受けるとともに、国内でも多くの影響を与え、新たな風景を創出してきた。

KAMIは、生まれ育った京都の情景と幼少から親しんできたスケートボードの軌跡にインスパイアされた文字でも具象でもない滑らかなライン(曲線)をフリーハンドで描き、

SASUは80年代のサブカルチャーやカウンセリング心理学に影響を受け、繊細な色彩でシンメトリーのモチーフを描く。

プライベートでも夫婦でもある二人はポップな世界観を持ちながらも哲学的かつ普遍的な主題を扱い続けており、ストリートアート界に独自の視点で新たな表現領域を切り拓いてきた唯一無二の存在である。

近年では市民によるクラウドファンディングで実現した大規模な壁画制作から、制作で使用した道具を用いた作品制作、

「ILL COMMUNICATION II」(2004年/英国Urbis museum)、「X-COLOR / Graffiti in Japan」(2005年 /水戸芸術館現代美術センター)や「六本木クロッシング:芸術は可能か?」(2011年 /森美術館)など美術館での展示のほか、GINZA MAISON HERMÈSでのウィンドウディスプレイや、 ルイ・ヴィトン 小倉井筒屋店内の壁画など、さまざまな分野をクロスオーバーしながら実験的な表現活動を続けている。

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